メディアデザイン 2025 シラバス

メディアデザイン2025シラバス
The back view of a design student immersed in the world of video production. --ar 16:9 --niji 6
目次

第1~2回:作業プロセスの理解とAE基礎機能属性

授業概要

  • 狙い:映像制作におけるアイデアの生み出し方と、After Effects(以下AE)の基本操作を理解し、制作プロセス全体を俯瞰できるようになる。
  • ポイント
    • コンセプト発想法(ブレーンストーミング、マインドマップなど)
    • 資料収集の方法・リサーチスキル
    • AEのインターフェースや基本的なワークフローを押さえる

学習内容

  1. 制作プロセス全体の流れ
    • 企画 → プランニング → デザイン → 実装 → テスト → 完成
    • 各フェーズで求められる要素(アイデア出し、リファレンス収集、フィードバックなど)
  2. コンセプト発想法
    • ブレーンストーミングやマインドマップの実践
    • 事例研究:優れた映像作品のコンセプトを分析
  3. 資料収集とリサーチ手法
    • 参考映像、画像、音素材、トレンド情報などの集め方
    • クリエイティブ・コモンズ等の著作権周りの基礎知識
  4. AE基礎操作
    • インターフェースの理解(プロジェクトパネル、タイムライン、コンポジションなど)
    • レイヤー構造、キーフレーム、ベジェ曲線などアニメーションの基礎概念
    • 簡単なモーション付けを試す

30s 演習課題

「興味のあるテーマ」を設定し、そのテーマに関するリファレンスを集めて発表。最後に簡単なAEアニメーションとして表現する。


第3~5回:AIと映像制作、そして我々クリエイターの未来とは?

授業概要

  • 狙い:Midjourneyや他の生成AIの概要を理解し、プロンプトの概念や活用事例を通じて、AIとの協業スタイルを考察する。
  • ポイント
    • 生成AIの動向と可能性・限界
    • プロンプトエンジニアリングの基礎(画像生成・動画生成など)
    • AIツールを取り入れる際のクリエイターとしてのアプローチや倫理的視点

学習内容

  1. 生成AIの概要
    • Midjourney、Stable Diffusion、DALL·E、Suno AIなどの仕組みとトレンド
    • AIが得意とする部分、不得意とする部分
  2. プロンプトの概念
    • プロンプトを設計する際の着眼点(キーワード、スタイル指定、構図など)
    • 実例紹介:プロンプトを変えることで出力結果がどのように変化するか
  3. クリエイティブへの応用
    • AIで生成したビジュアルや映像の使い方(素材としての活用、アイデア出しの補助など)
    • AIから得た要素と人間の演出力を組み合わせる方法
  4. 倫理と今後の展望
    • AI-generatedコンテンツの著作権やフェイク問題
    • クリエイターが持つべき姿勢(独自性や人間らしさとの両立)

演習課題

Midjourneyなどの生成AIを用いて、特定のテーマのビジュアルを3パターン制作。狙い通りに生成されなかった点を振り返り、どのようにプロンプトを改善すれば良いかレポートする。


第6~9回:基本機能だけで制作する感覚的アニメーション

授業概要

  • 狙い:AEの基本機能(キーフレーム、トランスフォーム、シェイプ、テキストアニメーション等)を掘り下げ、感覚的なモーションアートワークを制作する。
  • ポイント
    • レイヤー同士の相互作用、グラフエディタの活用
    • シンプルな要素だけでリズム感のあるアニメーションを作るコツ
    • 音とのシンクロや視線誘導を意識したデザイン

学習内容

  1. キーフレームアニメーションの深掘り
    • イージング、グラフエディタ、速度曲線の編集
    • モーションブラーや描画順の調整
  2. シェイプアニメーション
    • シェイプレイヤーのパスアニメーション、リピーターの活用
    • 抽象的なビジュアル表現の方法
  3. テキストアニメーション
    • プリセットの活用とカスタマイズ
    • タイポグラフィと動きの組み合わせ方
  4. 音楽や効果音との同期
    • タイミングを合わせる手法(フレームや波形を参考にするなど)
    • 視覚と聴覚の相乗効果

30s 演習課題

Suno AIで生成した曲や効果音に合わせて、抽象的なシェイプアニメーションを作成し、クラス内で上映しフィードバックを行う。


第10~12回:AEの核心的なエフェクトについて

授業概要

  • 狙い:After Effectsの豊富なエフェクトを活用し、特にサウンドビジュアライゼーションなどのインパクトある表現を身につける。
  • ポイント
    • エフェクトやプラグインの代表例と活用術
    • Sound Visualization Asset制作の手法
    • エフェクトのカスタマイズやプリセットの管理

学習内容

  1. 代表的なエフェクトの分類と使いどころ
    • Blur系、Distortion系、Color Correction系など
    • 作例の紹介と具体的な設定例
  2. サウンドビジュアライゼーションの制作フロー
    • オーディオ波形の抽出と連動アニメーション(Audio Spectrum, Audio Waveformなど)
    • リズムや音階に応じて動きを変化させる手法
  3. エフェクトとコンポジションの組み合わせ
    • プリコンポーズの利活用
    • エフェクトのスタックやブレンドモードの工夫
  4. 演出力を高めるテクニック
    • グリッチエフェクト、パーティクル系演出、タイポグラフィの拡張
    • カメラや3Dレイヤーとの連動(必要に応じて)

30s 演習課題

Suno AIで生成した短い音楽トラックをもとに、サウンドビジュアライゼーション作品を制作。各自で異なるエフェクトを3種類以上活用し、演出力を競う。


第13~15回:ポートフォリオのバージョンアップ

授業概要

  • 狙い:これまで制作した作品を整理・再編集し、ポートフォリオやデモリールの魅力を最大化する。さらに、発信力とセルフブランディングの方法を学ぶ。
  • ポイント
    • 作品をどう選び、編集し、見せるか
    • デモリールの構成と音選び
    • 発信プラットフォームの選択とSNS活用

学習内容

  1. ポートフォリオ構成のポイント
    • 作品セレクションと並べ方のコツ
    • 各作品に添える解説(コンセプト・制作意図・使用ツールなど)
  2. デモリール制作
    • デモリールのテンポ感や見せ場の作り方
    • 音楽や効果音の選定、サウンドロゴ的演出
  3. 発信力の強化
    • Behance、Vimeo、YouTubeなどの活用
    • SNSでの効果的な広報(ハッシュタグ、投稿タイミングなど)
    • 今後のキャリアビジョンへのつなげ方
  4. 講評・フィードバック
    • 完成したポートフォリオやデモリールをクラス内で発表
    • 教員・学生同士での講評を通じ、ブラッシュアップ

30s 演習課題

自作作品を再編集し、1分~2分程度のデモリールを仕上げる。発信プラットフォームにアップロードして視聴リンクを共有し、フィードバックを得る。


総まとめ

  1. 多面的なメディア表現の考察
    • 前半(第1~2回)でアイデア発想・調査、AE基礎を学び、後半ではAIやエフェクト活用、ポートフォリオ制作へと発展。
  2. 送り手と受け手が相互に作用するサービスやコンテンツ制作
    • AIを活用した共同作業の可能性や、視聴者の反応を踏まえた演出を取り入れ、メディア表現の幅を広げる。
  3. 最終目標
    • 単なる技術習得で終わらず、どのような制作スタンス・コンセプトで発信していくかを見極め、自走可能なクリエイターとして成長する。

この記事を書いた人

サトウ ケイのアバター サトウ ケイ サンナナ代表

Sunnana Inc. Co-Founder / Creative Director / Projection Mapping Director / Web Producer / Media Art
株式会社サンナナってヘンテコなスペシャリスト集団の代表やってます。お知り合いの方は何屋だお前?って思ってる方もいらっしゃるかと思いますが、デザインと音楽の会社ですよー

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